猫は自由で、どこかミステリアス。それでいて、ふとした瞬間に心のすき間を埋めてくれるような存在。そんな猫をモチーフにした楽曲には、人の心の深いところに触れる力があります。今回は、「猫」がタイトルに含まれる楽曲5曲を、歌詞と音の魅力とともに紹介します。
1. 【猫】DISH//
リリース:2017年
作詞・作曲:あいみょん
歌詞より:
「君がいなくなった日々も このどうしようもない気持ちも 僕が君を忘れるなんて できるわけないでしょ」
楽曲の一部:
アコースティックギターが導くシンプルな構成。静かに始まりながら、サビで感情が爆発するように盛り上がる展開が秀逸。
ひとこと:
“会いたい”をどうしても飲み込めない、そんな感情を猫の気配に託すような切ないバラード。
2. 【猫になりたい】スピッツ
リリース:1994年(シングル「青い車」のカップリング)
作詞・作曲:草野正宗
歌詞より:
「猫になりたい 君の腕の中 ぬくもりに甘えていたい」
楽曲の一部:
優しいアルペジオが繰り返され、夢うつつのような浮遊感。90年代スピッツならではの幻想的なサウンド。
ひとこと:
何も求めず、ただ「そこにいたい」と願う気持ちを、猫という存在を借りて描いた名曲。
3. 【猫にも愛を】indigo la End
リリース:2017年
作詞・作曲:川谷絵音
歌詞より:
「あぁ 猫になりたいと思ったのは 逃げ出す理由が欲しかったからだ」
楽曲の一部:
都会の夜を思わせる切ないギターリフと、繊細でどこか冷たいボーカル。エモーショナルな余韻が胸に残ります。
ひとこと:
“猫=自由”というイメージを逆手にとり、自分の弱さを静かにさらけ出すような、美しく痛い一曲。
4. 【猫の恩返し】つじあやの(「風になる」)
リリース:2002年
作詞・作曲:つじあやの
歌詞より:
「私のすべてを受け止めてくれる 優しい風を感じていたの」
楽曲の一部:
ウクレレの音色が印象的な、さわやかで軽やかなサウンド。聴くたびに心がほどけるような優しさに満ちています。
ひとこと:
猫の国を旅する少女の冒険を描いたジブリ映画の主題歌。日常にそっと寄り添うような名曲。
5. 【猫とアレルギー】きのこ帝国
リリース:2015年(アルバム『猫とアレルギー』より)
作詞・作曲:佐藤千亜妃
歌詞より:
「猫になれたらよかったな 君を困らせたかっただけなんだ」
楽曲の一部:
ノイズを含んだギターと儚げなボーカルが溶け合う、夢と現実の狭間を漂うようなサウンド。
ひとこと:
“触れたくても触れられない関係性”を、猫とアレルギーという絶妙な距離感で描いた切ない名曲。
あとがき──猫のような音楽を、もっと
猫というモチーフは、ただ可愛らしいだけでなく、「触れられない」「そばにいたい」「自由になりたい」といった複雑な感情を静かに引き出してくれます。
どの曲も、猫を通じて人の心の奥にある何かをそっとすくいあげてくれるようです。
あなたのお気に入りの“猫ソング”はどれですか?